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エッセイ#62:12月[7F山川]

12月 「十二月のイベント」7F 山川



十二月、と言えばすごくイベントごとの多い月だと思う。何せ師走だ。一年の最後だ。
私はフィギュアスケートが好きなので、一番のイベントは全日本選手権だ。二番目はグランプリファイナル。どちらも大きな試合だ。前者については、ほぼ毎年生観戦に行っている。
全日本選手権は毎年クリスマス前後に行われるので、クリスマスらしいことなどほとんどしない。しかしずっと販売・サービス業なので、仕事では切っても切れない。A書店時代は児童書コーナーのある階にいたため、プレゼントの絵本の包装に追われる日々だった。十二月初めから毎日のように、台の空いた場所を確保しては包む。その頻度は日に日に増えていった。クリスマス当日に休むなんてなかなかの所業だと思うが、幸い希望は毎度通してもらえた(もっともA書店本店の場合、あまりクリスマスイブや当日に混雑はしなかったらしいけれど……)。
そして会場にたどり着くと、まずは寒さ対策だ。ポケットにはカイロ。冷え症ではない私はスケート観戦の時しか使わないので、お徳用の使い捨てカイロを消費するのに五年くらいかかる。膝掛けは二枚。座席の椅子が木やプラスチックだったりすることもあるので、アウトドア用の折り畳み座布団も重宝する(ちなみにアウトドアで使ったことは全くない)。服装はダウンコートとムートンブーツが必須だ。毎年、観戦の日から解禁するようにしている。
何せ試合は長い。TV放送は長くても三時間くらいだけど、実際は長い日で十時間ほどかかる。出場選手は三十名前後はいるし、六名一グループで二グループの演技が終わるごとに約二十分の整氷作業がある。待ち時間は多い。
なので合間に、本をめくったりもする。たいてい家から持ってきた文庫本だけど、現地の書店で買ってしまうことも度々ある(だから私の荷物はいつでも重い)。できれば状況に合った本を読んでみたいけれど、何が合うだろう。ちなみに昨年は「絶叫城殺人事件」(有栖川有栖・新潮文庫)だった。絶対合ってない。だからこそ覚えているのだろうか。
こんな感じで師走最大のイベントを過ごし、そのあとは年末ひたすら働き、気づけば年が明ける。私にとっての十二月。皆さまは、どんな月になりそうですか? 最後になりましたが、今月からエッセイ担当メンバーに入れて頂きました。どうぞよろしくお願いいたします。

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by a_kawaraban | 2017-12-14 23:58 | エッセイ | Comments(0)

元書店員たちによる読書日記


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